昼下がりが好きだ わたしにとって この時間は格別 時間の流れがスロー 道行く人の歩行速度も 太陽から注がれる光の速さも 心なしかゆっくりだ 子どもたちが公園で遊んでいる 傍でお母さんが世間話をしている 老夫婦が散歩をしながら空を見上げている 小鳥は果実をついばみ 猫が日向ぼっこをしている こっくり こっくり こっくり 髪が指が呼吸が 飴色の時間に溶けてゆく そうして幸福と一体化する瞬間 わたしは我を失い 全てになる